バックランとは、色を塗って乾く前に水を落とすと、そこが花開いた模様になる技法です。水彩画ならではの技法です。注意したいのは、水を落とすタイミングです。色が薄いと見えにくいので、ここでは青の単色で解説していきます。
まずは、全体の流れです。
①ドライ、またはウエットで色を塗ります。
②塗った色が「半乾き」の状態になるまで待ちます。
③綺麗な水を筆にふくみ、筆先を画面に軽く触れさせ、水を落とします。
④徐々に、バックランが浮かび上がってきます。
⑤バックランの広がりを止めたいというところでドライヤーで乾かします。(ドライヤーはゆっくりとした温風で遠くから当てます)
バックランで特に注意するのは、水を落とすタイミングです。「半乾き」の状態とは、塗った色がもう少しで乾きそうという状態です。
塗った色の水分が多いとバックランになりません。また、塗った絵の具が乾いてしまうと、落とした水は水滴状で紙の上に乗ります。これもバックランにはなりません。ドライとウエットの間のタイミングで水を落としましょう。
では、具体的に実際の流れを見ていきましょう。
バックラン 初級 実技
必要な道具
- 水彩紙 (ここでは、ヴィフアール水彩紙 中目 F4を使っています ※描いている面積は15㎠ぐらいです)
- 絵の具 任意 ※バックランになりにくい色があります。上手く行かない場合は絵の具を変えてみましょう。
(ここでは、ウインザー&ニュートン社 青【ウインザーブルーレッドシェード】を使っています) - 筆 任意 (ここでは、平筆、丸筆ともに馬の毛を使っています)
- 筆洗器、パレット(ここでは使い捨てのペーパーパレットを使っています)
- 雑巾、ティッシュペーパー
- ドライヤー
実技
色を塗る
ドライ、またはウエットで色を塗ります。ここではドライで塗っています。
「半乾き」まで待つ
バックランになりやすい、「半乾き」の状態まで待ちます。
半乾きのタイミングは、水分の光り方で見分けます。色を塗ったところを角度を変えて見ると光ります。塗った直後はピカっと光ります。
半乾きの場合は、弱く光ります。乾くと光りません。見る角度を変えながら観察してみてください。
水を落とす
半乾きのタイミングで水を落とします。ここでは筆に綺麗な水をつけて、筆先を画面に軽く触れさせ、水を落とします。手で落としたり、硬い筆で水をはじき飛ばして落とす場合もあります。
完成
頃合いを見て、ドライヤーをかけて完成です。
バックランの模様は、濡れている間はどんどん広がります。このぐらいの大きさが良いというところで、ドライヤーをかけてバックランの広がりを止めます。
まとめ
バックランはタイミングが重要です。また、基本的には一発勝負です。やり直しは効かないのでしっかりコントロールできるようにしたい技法です。
作品への応用
バックランを使った作品
こちらの絵は私の動画教室 スタートアップ動画1000円(税込)の内容です。
詳細はこちらをご覧ください。
【スタートアップ動画 1,000円】「足元の花たち」