水彩紙

水彩紙について(中級者から)

2024年9月24日

初心者向けの紙はヴィファール中目(マルマン)だと「水彩紙ついて(初心者向け)」という記事で書きました。ある程度、この紙で描けるようになったら、もっといい紙や違う紙を使いたくなると思います。

次に手に取って欲しい紙は「ウォーターフォードホワイト 中目 (ホルベイン)」です。

F4 ブロックタイプが私の動画教室のサイズです。

F4だと小さいという方は、F6 ブロックタイプがいいでしょう。

ウォーターフォードは濁りにくい

ヴィファールは私の感覚では3~5回の重ね塗りで完成させたい紙です。
(ここでいう重ね塗りとは、一度塗った色が完全に乾いたあとに塗ることを指します。)
5回以上重ね塗りすると前に塗った色がにじんできて、画面上で色が混ざり濁ります。
上達していくと、もっと描き込みたくなったり、または、技術的に描き込めるようになったりもします。

ウォーターフォードは、一度塗って乾いたら、その色は浮かび上がってこないという特徴があります。
色を塗って、乾いたあとに水筆で色を取ることをリフトするといいますが、この紙は全くリフトできません。
その為、何度重ね塗りしても色が濁らず、重ね塗りに適した紙だと言えます。また、紙の表面が強いのも特徴です。マスキング液も使えます。私が空を描く時、10回~20回の重ね塗りで描いていきますが、紙が傷むことはほとんどありません。

「雪原がラベンダー色に変わる夜明け前」620×220mm 青空を約15回ほど重ね塗りをして描いています。

ブロックタイプとは

ブロックタイプとは、4辺がノリ留めされていて、簡易的な水張り状態として描けるというものです。ノリ留めさている状態で描いて、作品が完成したら1枚はがします。下の辺の真ん中にノリ留めされていない3cmぐらいの隙間があるので、そこからペーパーナイフなどを入れてはがします。水でヨレヨレになることなく、作品がピンとした状態で完成できます。
(いつか、ブロックタイプの使い方は記事にしたいと思います)

注意点

ウォーターフォードの欠点は、リフト出来ない紙なので、間違った色を塗って乾くと修正することが出来ません。値段も高いという点もあります。また、注意点としては「風邪をひきやすい」というところです。

紙にはサイジングという、絵の具をある程度はじく加工がされています。もしサイジングがされていないと、絵の具が紙の裏までいってしまいます。和紙のような感じと言えばイメージつくでしょうか。
そのサイジングが壊れてしまい、色がしみ込むところとしみ込まないところが、まだらに出ることを「風邪をひく」といいます。
風邪がひく原因は、高湿度の環境下に置いておくとなると言われていますが、私は紫外線も関係していると思います。
特に、ウォーターフォードは紫外線に弱いと感じるので、保存袋での保管をオススメしています。

こちらのLサイズの袋も合わせ購入されると、F6サイズは余裕で入ります。
高価な紙なので、風通しのいい日陰で保存するか、保存袋を使うと安心です。

中間の価格帯なら

どうしてもウォーターフォードホワイトの値段が高いという方は、ホワイトアイビスという紙があります。
ウォーターフォードほど丈夫ではありませんが、リフトしにくく重ね塗りをしても濁らないという点では描き心地は似ていると思います。
ホワイトアイビスなら10回までの塗り重ねで完成させたいところです。

F4 ブロックタイプ

F6 ブロックタイプ

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