水彩画で公募展やコンクールを出す予定のある方、または初めて出そうと思っている方は大きな作品の水張りの仕方に困ることがあると思います。ここでは動画を交えながら張り方や必要な道具についてまとめています。参考にしていただければと思います。
公募展、コンクールでの大きさは30号~100号ぐらいまでが多いと思います。
水張りをしないと紙がヨレヨレになってしまい見た目が悪くなってしまいます。審査員によっては水張りをしていない作品は基本がなっていないと厳しい判断をされる方もいるかもしれません。絵の内容ではなく、水張りがマイナス点になるのは勿体ないです。公募展やコンクールでは、しっかり水張りをしてピンと張った状態の作品で挑みたいところです。
下の動画ではF80号の木製パネルに水彩紙(ウォーターフォードホワイト)を水張りするやり方をまとめています。6分17秒の動画です。
ガンタッカーを使って留める方法です。
基本的にはこの方法でどのサイズでも水張りすることができます。
水張りテープで水張りする方法は、私は20号以下のサイズまでと決めています。紙が大きくなると水張りテープだけではピンと張れないことがあるからです。
大作用 水張りのポイント
- 木製パネルは、マルオカ工業のHD-2木製パネルのように「アク止め」されたものがいいです。アク止めされていないと、ベニヤのアクが作品上に染み出ることがあります。
- 水彩紙の描く面を指でさわらないようにする。指にある油が紙に付くと、そこだけ色をはじいて色ムラになることがあります。
- 水彩紙はしっかりと濡らします。表面だけ濡れているだけでは紙の膨張が不十分です。紙の中までしっかり濡れている状態で張りましょう。
- 途中で霧吹きで加湿します。大きなサイズになると、張っている間に乾いてきます。特に四つ角から乾くので途中で霧吹きやハケなどで水分を加えましょう。
- 水彩紙の余白の紙は裏側までまわして留めるといいでしょう。水彩紙をサイド(木製パネルの梁の部分)でカットすると仮縁や油彩額にいれた時、紙が引っかかって額から出せなくなる時があります。
- 立てかけて乾かすときは2~3時間後に一度天地を逆にしましょう。立てかけて乾かすときは下側に水分が溜まり、上側から乾き始めます。その為、上側と下側の紙の膨張率が変わり、薄い紙だと割れたように水彩紙が破れることがあります。水張りを乾燥させるときは平置きが望ましいのですが、大きなサイズだとそうともいきませんので、2~3時間後に一度天地を逆にすると破れ防止になります。
必要な道具
木製パネル 「アク止め」
マルオカ公式オンラインショップ HD-2木製パネル 日本サイズ
こちらのサイトから 必要な号数 FPMSを選択すれば購入できます。
水彩紙 「ホルベイン ウォーターフォードホワイト 中目 300g/㎡ 10mロール紙」
私が使っている水彩紙です。
ガンタッカー
私が使っているものです。
ガンタッカー 針